ローラブルハット・トラベルハット・クラッシャブルハット・フォルダウェイハット。

呼び方はブランドそれぞれですが、折りたたみで持ち運びを得意としたハットのこと。フェドラハットのローラブルは有名ですが、パナマハットはその発想が少し違いました。

ハットを被るユーザーではなくハットの売り手のアイディアで生まれたローラブルハット、それは折りたたんだほうがたくさん運べること。

1855年第一回パリ万博に出展、ナポレオン三世に気に入られパナマハットはヨーロッパで普及しました。多くのハットを輸出したいエクアドルのハットメーカーは第一級（オプティモ）を生産しました。

アメリカはルーズベルト大統領、ヨーロッパではフランス最後の皇帝ナポレオン三世に気に入られたパナマハット。ほかのストローハットとの違いは緻密な独特の製法です。機械織ができないトキージャ（トキヤ草）は割くと半分また半分とどんどん細い繊維（どれくらい？最高はデンタルフロス並み）になり、割いた繊維は折れやすいため一定の湿度の中で手編み（ハットひとつに50万回の網目が最高）します。

＜panama hatを有名にしたアクター・アクトレス＞

適度な湿度は深夜から早朝、作業効率はあまりよくありません。さらに極細の繊維を編める職人（ウィーバー）は限られ、小規模経営のパナマハットファクトリーでは高品質の生産が少量なため、高価なハット（網目が細かい：WPIが高い）は6か月待ち12か月待ちさらに18か月待ちと新型スーパーカーの納品のようです。

オプティモ（形状としてはコロニアル・スタイルと言います）はパナマハットの中でも別格。折れやすいトキージャ繊維を自ら折りたたむオプティモ、素材の品質が良くなければできない・より繊維が細かくなければできない技術。そして被る人が自信をもって被り管理すること、ハットメーカーと被るユーザーとの共同作業でオプティモは未来へ生かされています。

トップにたて筋の入ったハットを見たら、「はは～ん。ひと癖ある人ね…」とご判断ください。ハットのことを話させたら朝が来るでしょう。

こちらはお馴染みのフェドラハットのローラブル。

専用の丸いケースが付属して旅行鞄の中で光ります。

当店でもいくつか扱っています、探してみて下さい。