たった236年の歴史しかないアメリカ。

移民ばかりの国の産業として東海岸のニューヨークはブロードウェイ・ミュージカル。

西海岸のロスアンジェルスではハリウッド映画。

スポーツはアメリカンフットボール（NFL）とメジャーリーグベースボール（MLB）、バスケットボール（NBA）とアイスホッケー（NHL）が地域密着のフランチャイズビジネスで開花させた。

ミュージカルはトニー賞（1949年設立）、音楽はグラミー賞（1959年）、テレビはエミー賞（1949年）、映画はアカデミー賞（1929年）と業界のプロが審査する世界のTOPアーティストを表彰する。

労働組合（ユニオン）のしっかりしたアメリカでは、類まれなアーティストやスポーツ選手をたくさん集め、それをメディアや舞台、スタジアムで公開することで興行が成立し、”アメリカンドリーム”を目指すネクストジェネレーションをさらに集めていく。

片や、日本の映画産業は白黒テレビの普及から右肩下がり。20世紀終わりに電通の編み出した＜製作委員会方式＞で製作することで赤字を防ぐことが可能となり、1億5千万円映画（ヒューマンドラマ）が乱立するようになった。

アメリカのそれは平均66億円。150億円を超える作品はたいがいは高額な俳優の報酬（最高はパイレーツ・オブ・カリビアン出演時のジョニー・デップの1本33億円と言われる）が原因。ただそれも世界公開で回収する。

表題のスクリーンで見るものの回答

ハリウッドではTVと映画はしっかり格付けされ、TV用脚本と映画用脚本はまったく違う。
違うとはストーリーの本質。簡単に言えば映画は人と人の派手な葛藤（アクション）、テレビは愛情などの内面に触れたドラマ主体。

非日常を提供することが映画の本質。

ありがちなドラマを見るために入場料は払わない。

さらにCGIを使った作品の多くは、専用で編み出したソフトウェアを販売することで二次的な著作権を発生させる。具体的には、かつて映画で一番お金がかかったのは馬。

100頭の馬に演技させるためにロケーションや馬の世話、移動など膨大な時間と費用が必要だった。1万頭出ようが10万頭出ようがソフトに命令するだけでいい。こうしてエジプト時代、ローマ時代の馬の大群を用意することが可能になった。

ほとんどスタジオ撮影、低予算CGIの代表作300（スリーハンドレッド）

次に人のCGI。専門的には一度主人公の全身をスキャンして立体化させるソフトが組めればどんな危険なアクションもCGI＜デジタルアクター＞がスタントなしで対応する。

具体的にはスパイダーマンらマーベルの主役たち。日本で言えばウルトラマンや仮面ライダー。彼らをどんな危険な目に合わせることも可能なのがCGI。

※CGI＝コンピュータ・ジェネレイテッド・イメージ。コンピュータで作ったビジュアルのこと。CGと言う言葉は日本人だけが使う方言（コンピュータ・グラフィクス）。

2024年公開予定のAVATOR２。ここでは水のCGIが採用されている。水のCGIは過去に誰も再現できなかった難題。水中CGIは最大の売りになる。

ハリウッド映画は、世界公開で差別をしないためにすべての人種を出さなければならない。アフリカ系・南米系・アジア系・アラブ系・北欧系・南欧系・北米系。よってアジアンスターは必ず必要。英語を話せることでハリウッドのオーディションが受けられるなら、日本人はどんどん渡米したほうがいい。

中国が生活のデジタル化でハリウッド映画を輸入するようになり、13億人の住む中国をネタにした脚本が多く出回るようになった。興行第二位だった日本は瞬時に抜かれ、12,500億円の北米（アメリカ・カナダ）の次は10,000億円（2019年BOX OFFICE MOJI調べ）の中国となった。日本は2,000億円を行ったり来たり。

人口が減少し映画館に通わない日本人。公開時にプレミアと称して出演俳優が来日する機会は減った。（日本流で言えば舞台挨拶）俳優はみな日本を飛び越して上海や北京に行くわけだ。 (beauty & beast,emma watson)

＜鬼滅の刃＞が240億円と日本のメディアは叫びます。

昨年トップの中国アニメ＜Ne Zha＞は766,5億円。＜鬼滅の刃＞の3倍です。

そりゃあ各シネコンの4スクリーンで公開していれば興収240億円は達成可能です。そんな特例はめったにないのですから。なんでもかんでも鬼滅の刃コラボ商品って日本、ちょっとおかしいですよね。

国が産業として推奨している。それがハリウッド映画。

日本のメディアは自社に都合のいい情報しか流しません。

メディアに惑わされず、自分流に映画をお楽しみください。

テクノロジーのない映画（ストーリーのみ）はテレビ映画で十分。映画とはスクリーンをはみ出すようなスケール感で描くもの、それがこの結論です。２Dのテレビアニメに大人が騒ぐことではないのです。