映画は映画館の興行がメイン。以下DVD販売・ネット配信・地上波TV・ケーブルテレビなどに配信される。スクリーンの売り上げが最も大切。だから公開を延期しても劇場公開する。

軒並み延期された2021年以降の映画。しかしディズニーは【ムーラン】の公開をネット配信からとした。

有料オンラインムービーのディズニープラスだ！

ネットフリックスの1億9,300万人にはほど遠いが、開始半年で5,450万人の会員を集めている急成長ブランドのディズニープラス。ナショナルジオグラフィック・マーベル・ピクサー・スターウォーズなどの人気チャンネルを持ち、コロナ禍でステイホームの人たちを狙っている。

ネットフリックスが劇場公開しない（アカデミー賞は一部公開）ビジネスモデルで着々と作品をつくるいま（昨年のアカデミー賞ノミネート24部門）、ディズニーも劇場を必須（公開週の劇場との配分は7:3）とすることに疑い始めた、自社チャンネルなら10:0ですからね。

フランスの映画館経営者は以下のようにムーラン広告を破壊し、これに抵抗した。

最大手のディズニーはコロナ禍のおいて映画興行に変革をもたらしている。日本と違い興行と配給は直接関係（独占禁止法で配給会社は興行会社を経営してはいけない）はない。ただオンラインは配給直営も多く存在し、自社コンテンツの著作権ビジネスを行使している。

興行は最大でも6週間しかなく、通常4週間で製作費とマーケティング費回収をする最大の一次マーケット。ただし興行できなければそれはゼロでしかない。興行開始6週間経過しなければ次の二次使用三次使用はできないとしたら、いつまで経ってもムーランは回収不能になる。

邦画がジャンジャン上映しているのは、すでにマーケティング費（TVCMや番宣プロモーション）を使い製作委員会方式の回収はめどが立っているから。通常2,5億円。最大でも4億円レベルの邦画製作は簡単に回収可能なコンテンツが多い。→逆に言うと国内では製作費10億円以上の大作が作られない環境となってしまった。

アクションやCGIの派手な演出ではなく、ヒューマンドラマ・学園ドラマとまるでTVドラマの延長、そしてマンガ祭りは夏休みや春休みの恒例。それは配給側の責任。TV局と映画会社大手3社はリスクを冒したチャレンジをしなくなった。→ハリウッドCGIの大作はそのCGIのソフトを売り出すことで著作権を最大限に生かしている。ゲーミングに再利用しているなど、コンテンツを多方面に利用する。

日本人の映画に対する関心のレベルは一人平均年1,8回と先進国では驚くほど低く、産業としての売上高も2,000億円止まり。ポップコーンビジネス（コンフェッションで売り上げているから）は新型コロナという想定外の敵に翻弄され、【オンライン上映】などという単語が生まれ、大画面でなくてもいい人たち、映画館に行けない人たちが利用するようになった。

つい先ほどの朗報で、オンラインで開催していたベネチア国際映画祭の監督賞（銀獅子賞）を黒沢清監督の【スパイの妻】が受賞。→やっぱり恋愛とかのヒューマンドラマじゃなく、国の運命を左右するようなハラハラしたアクションがいいのです。

10月31日から第33回東京国際映画祭が始まる。

オープニングは＜アンダードッグ＞

クロージングは＜HOKUSAI＞映画は視聴者が参加（見る）しなくちゃ始まらない。産業として滅ぶのは、参加者がいなくなること。私たちの世代でそうしてはいけない。