不況時に関係なく増収増益（32期連続）続けるホームファッションのニトリ。

IKEA同様、生活回り商品を格安に提供する会社です。昔の安かろう悪かろうではなく、広告メッセージ通り＜お、ねだん以上。ニトリ＞と高品質をかなり前に出しているのが特徴。

 

単価が安い理由：早くから中国のOEMで生産を始め、高い利益率を実現。そのOEMも期限付きで再度コンペにかけるほどさらに原価を追求する。ベトナムでもいい。さらに貨物船を所有し、九州にある巨大ストックヤードにて保管。シーズンものは狙いの1か月前に売り切り。たとえばクリスマス商品は11月に店舗への入庫は完了、12月は在庫のみとなる。徹底した無駄の排除が高い利益率に繋がっている。

 

ニトリの設定する価格帯は、「普通の人が想定する価格の半分程度」値札を見て高いと思う客はまずいないことだ。

 

顧客ターゲット：小物類（キッチンや掃除など）を除いて、10万円以上のまとめ買いをするのは大学入学や就職、転勤や老人ホーム入居。要は引っ越しをする時。親子世帯がバラバラになる時でもある。シングル用品を豊富に揃える店舗では年代別の好みも仕分けされ、内装のほとんどが買える。カーテンも裾上げして送ってくれる。まとめ買いならもちろん送料無料、しかも設置までしてくれる。となるとかなり好感度の高い店になる。→　IKEAはセルフ組み立てが基本。

 

 

組み立てが簡単：CMで表現しているように釘や金づちなどの道具は使わないものを売っています。組み立てもカチャっとハマるもの。クルクルクルと締めるもの（専用工具つき）。とにかく簡単が売り。非力な女性でもできるものを開発しています。→　どうしてもって人には組み立て代を払えば店舗組み立てあり。

 

 

季節先取り：新入生のランドセルなら最悪3月にあればいい。というのは建前で、基本おじいちゃんおばあちゃんがプレゼントしてくれることが多い。なかなか祖父母に合う機会も少なく夏休みやお正月がほとんど。ニトリは半年以上前の前年夏に新シリーズの販売。→　ランドセルなどはカバンメーカーとの共同開発。

 

売り場にいる店員さんの数：売り場面積に対する店員数が決まっています。あれっ誰もいないのかと思うこともあるくらいに出払っている場合もある。彼らはバックヤードで在庫を管理をしていたりもする。基本は売り場ではレジ打ちがいれば間に合う。カードでセルフならそれも不要。人件費は最大のコストパフォーマンス。

 

 

販売はオンラインデータベース管理：たとえばTVのドラマでニトリの椅子が出ていたとします。翌日店舗に電話が殺到、即完売とします。全国576店舗の情報がオンライン、在庫があるなしはすぐにわかるので取り置き可がわかる。また、これが翌日も続きそうな商品であれば地区別のストックヤードから即日配送、在庫追加可能。このスピードがニトリの特徴。売れるものは徹底的に売る。

 

自社株買い：安売り家具店だから給料は安いのだろう。それは間違い。増収増益を続けるニトリの給料は案外高額。さらにその給料から自社株買い（安定して上がっている）を進めている。コストパフォーマンスは徹底して厳しいが、福利厚生は社員にも優しい経営方針。

 

 

基本、壊れるものは売らない：自転車を筆頭に壊れる、メンテナンス作業が必要なものは置かない。その持ち込みに対する作業費用はたいして稼がないこと、最大のコストの人件費が多くかかること。売り切りが原則。

 

商品がおしゃれかどうか、機能性が高いかどうか。視点がそこになく、まずは基本の商品性能があり、価格が適正であること。不況に強い理由は、不況は建築材料が値下がりし、建築費が安くなる。おかげで多くの部屋が生まれ、ニトリ製品が購入される。

 

 

そしてIKEAとの違いはサイズ感。国際基準のIKEA家具は大きく、家に入らない場合があるが、日本建築の部屋にニトリ製品はピタリとハマる設計になっていること。最終選考でこのサイズはとても大きく左右する。意外と知らないニトリの内側。なるほどビッグデータ管理が行き届いた会社なのです。

 

 

さらにコストコ・IKEAらと同じで、小さな買い物でも多くの商品を購入される人が多く、電車バスの利用よりもクルマ利用が中心。主要駅から多少離れた立地で広く駐車場が確保でき、安い土地代にオープンさせる。徹底的にコストは最小限、一部の隙も無い会社なのです。

 

ニトリとユニクロはとにかく安い。センスがよく耐久性があり…などと前置きが付く場合は違うかもしれませんが、数年使用限定ならまず第一に選ぶブランドでしょうね。NITORI NET