毎年気になるパナマハット。冬が早く開けた今シーズンは特にもうすぐだなと感じます。

パナマハットはオークションはやめときましょう。比較対象が画像でしかなく、実際に状態が目視できるお店での購入、またはネットショップも販売実績のあるショップでのご購入をお勧めします。

統一した品質を持つ大きな工場生産ではなく、エクアドルの各家庭レベル（小規模工場）の手作り生産であるパナマハットは、その品質をWPI（WEAVES PAR INCHES）で評価され、目の細かさにより価格は大きく変動します。

しかも二大産地（クエンカとモンテクリスティ）ではWPIの基準表現が違い、クエンカはグレード2-3とか8－9とか目の数を掛け算する方式。8×8なら64、16×16なら256とグレードが上がると4倍の細かさになる（作業量も同じく4倍になる）

かたやモンテクリスティではFINO（フィノ）という言葉単位を使い、SUB FINO（平均WPI/120未満）、FINO（WPI/200）、SUPER FINO（WPI/330）、FINO FINO（WPI/520）、EXTRA FINO（WPI/600以上）、ULTRA FINO（WPI/1000以上）となっており、実際クエンカとの比較では圧倒的にモンテクリスティ産がハイレベル。ULTRA FINOで言えば、その数は33×33以上となり、クエンカグレードは33となります。クエンカでは20くらいが最高、グレード20はSUPER FINOとFINO FINOの中間でしかない。

日本では崇拝されているイタリアのBORSALINO社もクエンカに発注生産されているもの、そして価格帯で言えば2万円から5万円程度で売られているもののほとんどはグレード2－3、よくてグレード6、最高でもグレード8程度で10万円近くしたりします。グレード8で10万円？　他のブランドではありえない価格。BORSALINO社は高い。その妙な雰囲気はリボンの金文字にあります。金文字に高額な価格を払うよりも、正しい評価のいい商品をご検討ください。※リボンに大金を払うことに意味ありません。

それはエクアドルブランド。グレードにあった価格帯がご購入できますし、エクアドルブランドを知っている＜通＞としてのプライドも出てくるでしょう。

ブランド名を課した名前で輸入されてくるパナマハット。白いハットは染色されたクエンカ産。ナチュラルな生成りの色もクエンカ産がほとんど。モンテクリスティと商品名に書かれていなければまずクエンカです。

モンテクリスティはほぼ芸術品扱い。10万円以上ハットに使えることができる人ならもちろんモンテクリスティをお勧めしますが、最高価格帯は現地エクアドルで300万円を超えます。クルマで言えばブガッティとか芸術品の域、あこがれの存在です。

実際にWPIを手に取って感じて見てください。そこからPANAMA HATの魅力に初めて踏み入れる世界、エクアドルの国の産業PANAMA HATをご自分の頭で堪能しましょう。