「きまぐれさ」

1978年公開映画アニメ＜ルパン対複製人間＞で複製知能マモーに言ったセリフ。

「気まぐれさ」はキーワードです。

人間とマシンの違い。それは同じ内容でも別な視点で考えると回答を変えることが出来る事。「気まぐれ」はまさにそれ。100通りの回答を考えていたはずが、101通りが起こりうる。

誕生日、ディナー、大切な人、豪華、さまざまなキーワードが並んでいくと絞り込まれたコンテンツはかなり豪勢な食事となるでしょう。そこに＜餃子＞というワードは出てこない。

主人公と私が＜餃子＞がきっかけで今があるとしたらそこに＜餃子＞が出現してもおかしくない。ただそれは滅多なことでは出てこない。記憶の中の断片が大きく影響します。

＜餃子＞が突然浮かび上がるきっかけが必要です。

過去の記憶の中で＜餃子＞シーンの言葉です。

「こんなにおいしい餃子ってないよね」みたいな心の変化を表す感動シーン。

＜感動＞は検索表示順位を一気に押し上げる要因。そして記憶はなんと都合良く書き換えるのです。

人は記憶をシナプスに信号化します。データなら変わりません。でもそれはひも状のもの。

何か（原因）や何か（要因）によって回答が変わる。そこに時間軸も加わり、古い記憶は自分が引き出す時に自動的に都合よく書き換えます。それが新しいデータとなると上書きデータは本来のデータを消していく。

犯罪者ルパンにとって追い込まれることはいつものこと。

100通りは常時引き出される。ただそこに本当のピンチが来た時にそれを捨てる能力がある。100通りが無理なら別な方法だ。これは普段考えていない事。「気まぐれ」はこうして生まれるわけです。

AIは危機管理として「気まぐれ」をここに追加することもできるでしょう。ただそれは無数になる。すると回答する時間はフリーズ。即解答がAIの使命とすると、この「気まぐれ」は対応できない。

誕生日の＜餃子＞はこうして人にはありうるがAIにはあり得ない。

私たちがやるべきこと。それはきちんと過去の記憶をアルバムのように整理しておくこと。

そしてアナザーワン（気まぐれ）もありうること。

＜ディープ・ラーニング（深層学習）＞でそれも可能という学者もいることでしょう。でも追いついた時には時間が経過している。現在と過去ではアナザーワンも変化する。

取り留めもないような話になりましたが、毎日をきちんと終わり、明日をきちんと迎えることで私たちはAIと共存しながら生きていく。人のアシストのために生まれた技術ですから、便利に使うことでいいのだと思います。22世紀の人が見たら笑っちゃう話かもしれません。

「古典的発想だな…」

それは悪いことではないと思います。未来の人はそれを使いこなせばいいだけですから。

エモーショナル（感情に左右される）な人の頭は、進化を生む大きな要因。コスト計算や効率計算だけでは生まれない人の一番良いところだと思います。

エジソンは言いました。発明で考えて考えて考え尽くしてそのジャンルに誰もいなくなり、たったひとり残され途方に暮れた時。

「ようやくスタートラインに立ったな！」

ライバルが消えたことで余計なことを考えずに専念できるという開き直った（アナザーワン）発想。わずか100年くらい前のお話です。

「何故、ここでエジソン？」

エジソンはリュミエール兄弟に負けていた映画発明でジョージ・イーストマンにモーションピクチャー（コダックフィルム）をつくらせた男。映画をレンタル制にした著作権の父だからです。

2001年スタンリー・キューブリックが企画しスピルバーグ監督がつくった＜Artificial Intelligence＞、少年A.I.デビッドに込めたのは＜愛＞、人類はA.I.を道具にしたいわけじゃない。

ちなみに映画の総本山ハリウッド。ここは特許にうるさいエジソンから逃れるため、当時の映画製作者はニューヨークを捨て、1911年カリフォルニアのロス郊外のヒイラギの森に16の倉庫（スタジオ）を建てられました。鼻の利くエジソンに見つからないようひっそりと。HOLLY WOOD（ヒイラギの森）、やがてそれは映画の森になり世界中の腕利きスタッフとスターが集まる場所になったのです。