｜ハットアンドコート。

ハットが最も生きる季節、コートの季節がやってきました。

ハットとコートはどちらも引き立つ最高の組み合わせ。特にトレンチコートとは相性が抜群です。

トレンチコートのトレンチは塹壕。英国陸軍が第一次世界大戦時の歩兵戦の際、泥炭地の塹壕に籠るには防寒と機能性が確保され軽い素材が必要でした。防水加工（ギャバジン）のトレンチコートは、体をすっぽりと守りながら雨の侵入を防ぐため、首回りや袖口を締め、おなか回りをベルトで締めることで暖を取れるようにしたバーバリー発想の最高のミリタリーデザインです。

兵士時代はヘルメットやベレー帽でしょうが、モダンなファッションとしてのハットは動物ウールのフェドラハット。戦うおしゃれなビジネスマンの出来上がりです。

トレンチコートといえばイギリスのトレンチメジャー。バーバリー・アクアスキュータム・マッキントッシュ。ダックスやトレンチロンドンというブランドもあります。

組み合わせるフェドラハットは明るめなシルバーベリーからシックなブラックまで。コートの色とは独立した選択で自分らしさを演出しましょう。

世界最古のハッター、James Lock＆Co.Hatters（通称ロックハッターズ）のフェドラハットとトリルビーのラインナップはこちら

セントジェームズ（ビーバー＆ミンク）・チェルシー（ラビット）がクラシックフェドラで代表的なハット。

ふたつのホンブルグ、エデンとゴッドファーザーはブリムアップのチャーミングさがあります。

ウールフェドラも人気のハット、気軽に毎日被れます。ピカデリーのブリムはまっすぐなまま曲がりません。

トリルビー代表はフェアバンクス。珍しいモグラカラーのタープもあります。

トリルビーの特徴であるショートブリム、そしてローラブルがラインナップ。

ポークパイのワーウィック、テーパードクラウンは伸縮自在。見た目がシャープにもソフトにも変幻自在。

黒兎フェルトのシナトラ。ジャズミュージシャンに人気のポークパイ。少しきつめがお勧めです。

ピッカリングは、トリムリボンで縁取りされたフェドラと見間違うダンディでシャープなトリルビー。

目移りするようなので説明すると、基本カラーはグレイ（カリブー）です。濃いめのベッセマーやネイビー。もちろん黒もあります。イギリスブランド（ロックハッターズ・クリスティーズロンドンなど）では赤系統もあり、ほかの人と被らない（重ならない）ハット希望の方にはお勧めです。

数千円のハット（コスパのいいハット）が山ほど売られているが、それはどうなの？という質問がありますが、一万円台のスーツにはいいでしょうが、このコートたちの品質は合わないでしょう。本物のコートには本物のハット。20万円台のコートは何年も十年も持つのに、数千円のハットは1シーズンでしょう。10年ハットはブランドハットをお勧めします。

ハイブランド（化粧品や革製品メイン）でもハットは販売していますが、そちらはネームバリューが価格の半分を占めています。やはりハット専門ブランドが最終的にいい買い物になるでしょう。たまにレザーハットってどうなの？と聞かれますが、レザーは革製品ですから重いです。全然別物。形は似ていてもお勧めはしません。

最後にフェドラハットやトリルビーを買う際には試着しましょう。

高額なコートをネットショッピングで簡単に買える人は少ないでしょう。同じブランドを一つ持っている人は別で、洋服同様試着でハットを買いましょう。リアルショップでしかそれはできませんが、試着のみで怒る店はありません。ただし勝手に被らずに、有名ショップでは「試着したいのですが、試着できるハットはありますか？」ときちんと質問する必要はあります。その際に頭の整髪料はもちろん厳禁です。きれいに洗った頭で行きましょう。