いいハットは決してお安くありません。

＜商品名＋最安値＞みたいな検索では、ご希望のハットと出会うのはまず無理でしょう。

理由は以下の三つ。

第一に、いいワイン同様にいいハットは製造方法が昔ながらの職人のハンドメイド。手間暇かかっているものをお客様都合（漠然と安く買いたいという希望）で安価に手にすることは出来ません。相場があり相場に適した価格（人件費と製品原価）が設定されています。

第二にネット情報の検索の罠。クッキーを使った誘導で貴方の検索は同じところを堂々巡りしているだけ。同じショッピングモールを何周しても答えは同じ。セール時（セールでも10％程度）などを除きいいハットは大きな値引きをしません。

型落ちや製品劣化の少ないハットは安定した価格で売買されているため、極端に安い価格の販売はほぼありません。サイズが大きいとか小さいとか新古品だとか特別な理由があるものだけが目玉商品として扱われています。

第三にブランドバッグ同様に外国製ハットは輸入関税（毛皮や革製品同様にハットの素材が動物の毛だから）が掛かります。現地価格プラス関税＋消費税となるとどうしても国内購入価格は本国よりも高額になります。

オークションサイトで安価な表示がある場合がありますが、個人保管物や新品同様なる新品ではないものがほとんど。個人間取引では返品不可ですから写真だけの判断となり、正規品よりも安い分得をするとは限りません。

いいハットと出会うために。

その１：実際の帽子店で被ってみる。狙いの商品があればいいですが、そうでなくても類似のハットで試着、被り心地を試しておくことは重要です。試着させてくれない帽子店はありません。

買わなくても試着だけで堂々とお店に入れます。→買わないことに気後れする必要はありません。検討中でいいんです。

その２：相場感を自分なりに検討する。４万円５万円とするハットでは販売店により価格差はあります。それぞれの輸入経路で代理店経由で価格は変わります。老舗帽子店を基準とし、ネット専用ショップを数軒検討しておく。→買う買わないはクリック一つですが、当たり外れのない買い方が重要です。

その３：ブランドを知らないで買わないこと。ファッションで言えばルイヴィトンやグッチ、ベルサーチやアルマーニ同様世界には多くのブランドが存在しますが、日本では販売店情報から特定のハットだけが高級ハットのように扱われています。イタリアのボルサリーノです。

ボルサリーノはもちろん優れたハットブランドですが、他社と大きく違うわけではなく、日本のマーケティングでこの一社が特別視されているだけ。世界最古はイギリス製ですし、アメリカ製品が生産量は世界一です。

いいハットを安く買いたい。基本、それはありません。いいハットは高額になるもの。

ただし、それは10年20年と被れることが基本となっています。

数千円の人工皮革の革靴と数万円のコードバンの革靴。

使う時間の長さの分、それは高品質になり、持ち主の顔になっていくもの。

ファストファッションのハットとは一線を画すと覚えておいてください。