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CMプロデューサーの憂鬱その②

「できないを、できるに」それが私のコンセプト。NO!と言わないこと。それが身上だった。

最大の危機は<スクランブル交差点ロケ>だった。

 

普段できないことはできないとはっきり答えていたが、今回はCD(クリエイティブディレクター)がこれを聞くこともなく広告主の承認を受け、やることが決まってからの報告だった。

 

scramle03

 

「無理ですよ、警察の許可は出ない!」

道路は全国どこであっても道路使用許可は警察が出すもの。交差点内は報道以外の撮影は禁止。一般人の歩行と安全を守れないこと(青信号のたった1分程度では)、車道のクルマの交通に影響を及ぼすこと。いわゆる公序良俗に反することとなっていた。

 

police03

 

「誰ですか、こんな企画出す人?」

逆に質問したが、それは無意味だった。新商品のインパクトづけのため、やりそうもない場所でのロケを考える。それがプランナーの使命。このプランナーは【撮影常識】を知らなかった。広告会社上位3社ではこんなことは起こりえない。みんな撮影自体を知っているから。

 

この仕事はあまりCM経験のない人たちだった。

「もう企画は通ったんだから、なんとかしろよ!」

CDはそれを繰り返した。→ いまならパワハラそのものですが、当時はそんな言葉はなかった。

 

映画も含めて営利目的のある撮影は、日本では嫌われ者扱い。

一般生活に支障をきたす恐れがあるものを規制する。道路は特に厳しく、管轄は地元警察署。まあ1時間の許可が出ればいい方で、2時間なら凄いと言える。ただし、交差点とか車道とか、交通を遮断しない事を除いた事。今回はそれらを全部含めたスクランブル交差点ジャック。交差点の中での演技だ。もちろん許可は出ない。じゃあ合成か? → それは非現実的な費用がかかる。破たんしている。

 

かつて、渋谷で有名な警察ドラマが実際に事件らしいものを仕込み撮影。渋谷駅前はパニックになった。以降渋谷駅500M圏内撮影は禁止。彼らはフェイクだけど音が出る銃を撃った、それもショットガン。渋谷警察は<ゲリラ撮影>(許可なし撮影)を見つけては、本気で中止に追い込むで知られている。

 

scramle01

この画の30秒後にも同量の人が流れていくためには、グリーンバックの裏に同量の人が隠れていなければならない。

この画で言えば、30秒撮影するためには総勢2,000人は必要。整理する人も50人は必要。主演のセリフありなら1時間に2テイク撮れない。

 

<スクランブル交差点ロケ>、この問いに答えはない。

実際に作った事はあるが、学校の校庭くらいの面積が必要だった。理由は手前や向こう側、側面を含めて四方をすべてカバーする事。狭い交差点でも、行き来する人は最低500人。scramble02

このスクランブルで15秒撮るためには1,000人は必要。スカスカですがこれで200人くらいいます。

 

これを動かしていく進行係が四方に各2人。1回撮影が始まって、2回目のトライには最低30分。キャスト(エキストラ)がスタート位置に戻る時間。これはシミュレーション済みだった。

 

「最低でも1,500万円は掛かるな」

準備を入れて1日4トライか5トライ。2時間の準備、2時間の撮影、1時間の撤収。まあ半日掛かり。狙いは斜光だから8時から9時あたり。エキストラには演技しやすい画(ただ歩くだけ)だから、その費用さえあればなんとかなる。

 

始発に乗り現地7時入り。8時からの撮影、10時には撤収開始となればエキストラの食事代もいらない(拘束時間が6時間、または昼食時間を挟めば食事の必要がある)

 

これを制作担当に説明し、制作スタッフの雇用やエキストラ集めの会社への手配、雨天を想定した演技ありなしのシミュレーションを始めた。問題はどこでやるか?スクランブルは関東でも100はあるだろう。ビル抜けを想定したら半分の50、舗道やエキストラの条件を想定したら10はないだろう。車道が二車線以上、信号機4点が見下ろせる比較的コンパクトなスクランブル。

 

候補は渋谷のパルコ前(いま建て替え中)。公園通りがベストだった。

shibuya03

勤労福祉会館前交差点は朝9時台は人通りが少ないが、10時を過ぎると急増する

 

ロケハンの演出も「ここはいいな!」と嬉しそう。制作スタッフは合計で20人近くになったが、社員で言えば8人程度。これに通しナンバーをつけた。理由は逮捕される順番。責任者が警察に捕まっている間にも撮影は進める。その責任者を順番にロケのメイン位置に指揮者として配置するためだ。もちろん私が通しナンバーの1番。出来る限り警官を遠ざけること、それも長い時間。

 

逮捕とは言え、道路交通法違反。まあ迷惑行為なので当日反省文だけで出る事は出来るだろうが、撮影している事は絶対に言ってはならない。だから撮影関係資料を持っていてはならない。丸腰状態(手に何も持たない)で撮影に臨み、イヤホンに指令があればカメラ位置に移動、制作スタッフを指導して無事終了させる事。

 

制作担当は、すべての状況を事前に頭に叩き込む。

「なんとしてもフィルムは守れ!」

それが私からの命令。品質は演出に任せるしかない。この覚悟を決めたのが撮影の1週間前。天気はまだわからない。許可が出ないロケには用意周到な準備がいる。ダミーカメラやダミーの仕込み。警察通報やパトカー巡回を事前にロケハンし想定する。

 

ここまで仕込んで、CDに報告。そして社員をこの件でクビにはしないよう社長にも報告した。CDはそれが当たり前のように「なるほど、なるほど」とうれしそうに話を聞いていた。自分たちのプレゼンが実現する事を喜んでいる。自社の社長(広告会社の天下り)は制作にあまり興味はなく「そうか」で終わった。

 

撮影前々日、最後のミーティングを開いた。この会社始まって以来の危険で大掛かりなロケだった。

「大丈夫。シミュレーションはバッチリだ」

それぞれの制作の顔は自信に満ち溢れている。いい顔だ。

 

さてロケ本番、パトカー巡回に目を光らせた。渋谷周辺は巡回は1台ではない。交差点の左右上下どこからでも現れる。

 

police02警察は交通を誘導しながら路上に出ることは当たり前、囲まれたら逃げられない

 

順調にスタンバイ。出演者が少し緊張気味だが、エキストラに囲まれながらのアクションが始まる。やはり落ち着きがなく、演技がひどい。「なんともないごく普通な日常に、この商品はやってきた」そんな空間の演出。

 

出演者の緊張が伝わってくる。私は交差点に入り、出演者を抱きしめた。

「大丈夫!心配ない」

不安が彼を凍らせていた。テイク2、テイク3、徐々に演技がこなれてきた。

 

shibuya04

歩道が狭い道路は、歩行のすれ違いが難しく大人数を導入しずらい

 

パトカー接近、時計7時方向。

案の定、トラック荷台に積んだミニクレーンを狙われた。これはメインカメラ。演出が乗っている。Bカメラはビル屋上から望遠、Cカメラは対岸のビルから窓越しに。すかさず警察官に駆け寄り、道路使用許可を見せる。

 

shibuya02交差点は流れが重要。動いて・交差して・次の人が出てくることの繰り返す画がスクランブル

 

「何をやっていますか?」書類を見ずにこちらを見る。

 

police01

警察官の狙いは責任者に中止を促すこと。そして中心となるカメラを捕えようとする

 

「ああ、カメラリハーサルです。来週撮影予定の…」「わかってるよねえ、あんたら交差点の中は撮影禁止だよ」「もちろんです。ああ、少し交差点に入ってますか。前にずらします」完全に疑いの目で見ている警察官を前に私はトラックを誘導する。

 

「荷台のあなたも降りなさい」演出とカメラ助手も降ろされた。

 

「大丈夫ですかあ…」トランシーバーの声がまる聴こえ。スイッチを切り、トラックを誘導、周囲の心配をよそに、こちらはパトカーとトラックを少し手前に移動させた。

「いつ撮影?」架空の日時と大学卒業作品らしき狙いを言いながら、警察官を交差点から遠ざけた。信号機が変わり、スクランブル交差点内に人が交錯する。メインカメラ抜きにテイク3は始まっている。少しの疑いがありながらも、パトカーは渋谷駅方面に消えていく。次回の周回まで30分は来ないだろう。

shibuya01直線20Mのこの距離は、人物のしぐさも表情もわかる最適ロケーション

 

クレーンを積んだトラックをバックさせ、テイク4の準備。

 

今度は時計4時方向から7時方向にミニパト。

カメラのトラックに気づくが、そのまま去っていった。テイク4スタート。と、時計1時方向からパトカー接近。信号機の一番前で停車した。ヤバい。クレーンが丸見えだ。構わず撮影はスタートした。演出もパトカーに気づいたようで、今度は撮影が終わるとさっさと荷台を降りた。パトカーはそれを見て通過する。

 

さてさてクライマックス。あと2テイクがギリギリだろう。エキストラの動きが良くない。人が交差点に入るシーンはいいがそれが簡単に途切れてしまう。固まらずにバラバラの歩きが必要。ただそれを指示する時間はない。テイク5を向かえる前、ミニパトが7時方向から近づくのが見えた。急遽ストップ、演出が荷台から降りる。カメラ助手も降りる。シーンは止まってない。信号機が変わりテイク5スタート。

 

ミニパトがトラックを追い越していく。最後のテイク6の準備。時計7時方向にまたパトカー接近。構わずテイク6がスタート。なんとか撮り終えた。

shibuya05最後尾は丸井あたりからスタートする。行列にならないとスクランブルはできない

 

朝10時、すべてのエキストラが時計で11時方向にあるシティホテルのロビーにぞろぞろ集まってくる。順番に捌きながら、報酬振込先やらの事務的作業を完了。午前11時現場撤収。ゲリラ撮影は何とか終わった。仕上がりはライブ感があってとてもよかった。オンエアも好調で、商品のスタートとしてはまずまずの売れ行きもあり、次回作の要望もすぐに出てきた。

 

 

※フィルムコミッションで最近、渋谷スクランブル交差点を再現(合成)できることを売りにしたセットができた。→足利フィルムコミッションのWEBサイトはこちら(競馬場跡地)

<ここで足りないのはエキストラ。映画やTVドラマのように告知して集客できないのがTVCM。人をここに集めるにはミニマム幾ら掛かるか? その計算をフィルムコミッションはしませんし、合成の費用も別途です>

 

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映画LALA LANDのオープニング。こんな画は日本では絶対に撮れない。

lalaland02

この画の難しいところ → ①音を全員で合わせる ②クルマの天井を補強する ③ひとり失敗したらやり直し 

④ドライバーは全部の車に乗っている ⑤見えているのは300台、でも500台以上は必要 ⑥中古車はオシャカ!

 

最悪だったのが次回作。今度は地下鉄だった。

「なんで私を企画に入れないんですか?」「だって入れたら止めるでしょ、この企画」「当たり前でしょ。前回は偶然なんですよ、地下鉄ロケは撮影できないってわかっているでしょ!!!」

 

 

交通機関のロケ貸し出しはあった。ただそれは地上を走る私鉄のみ。それも2往復が限界。それを地下鉄駅構内の設定を書いてきた。「もう通っちゃったんだからなんとかしてよ!」なんとかならないですよ。ないんだから。

 

続きは次回に。

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