｜夏の甲子園が終わると、もうひとつの’’甲子園’’全国吹奏楽コンクール（高校生の部）の地区大会が始まる。

地区予選を勝ち上がった決勝は、たった1日で30校が演奏する名古屋国際会議場。今年は10月20日（日）午前の部は9時00分開演・午後の部は14時40分開演　※１）チケットぴあ登録で9月20日までの抽選

過去の有力校14校を並べてみました。ブログ掲載当日はまだ予選真っ最中。代表常連であっても確実に出てくるとは限らないので、油断はできません。ここ数年、出場すべてで金を取っているのは最下段の3校。昨年の演奏自由曲のデータはこちら（引用朝日新聞）

全国から集まる30校は選りすぐりのチームばかり。指揮者は指導者としてチームをまとめ上げた総監督。20年30年と吹奏楽一筋で生きてきた、そのエリアの吹奏楽連盟の理事や理事長が揃っています。午前の部、午後の部入れ替え制の当日はたった3,000枚のチケットがプラチナ化します。吹奏楽部員平均200名はいる各チーム、その親兄弟が日本中から集結します。そして予選敗退チームや吹奏楽ファン・音楽関係者で3,000席ではまったく足りません。

熱狂する理由は、各地区予選から演奏が完全オフライン。関係者以外（後援朝日新聞）撮影禁止なこと。いよいよ、今年からライブビューイングがイオンシネマで予定されています。DVDではわからない、あの臨場感が全国のイオンで公開されます。（大人2,600円/前後半別・表彰式込　高校生以下1,500円左記同じ）

※２）金賞は午前午後合わせて最大で8個位、その7割から8割はこの常連校が持っていきます。

（※3）66回が前回2018年、60回は2012年からの出場記録です。＊印は欠場）10/24更新、最右列67回が今年2019年です。

「高校生の吹奏楽？」プロ以上に素晴らしいこの演奏をご存知ない方はこちらのYOUTUBEでご覧ください。このダイジェストは中学校から一般までの金賞特集です。

ちなみに私たちが行ったのは61回、確か後半の真ん中くらいの出番だったと思います。チケットぴあは10人以上登録しても1枚も当たらず、4席をネットオークション（1枚1万円以上でした）で買い、娘たちの登場する30分くらい前に会場に到着。そこは人の熱気にあふれていました。

出番を待つ学校とその親族、演奏が終わった学校とその親族、ぞろぞろと民族大移動。会場入場はこの演奏者交代の瞬間だけ。立ち見はないはずなのに通路は立ち見でいっぱい。ようやくたどり着いた席に座ろうとしたら空いてない。空席には誰かが座ってしまいます。

「あの～」と言ってその人たちに遠慮してもらって席に着席、次の登場が娘たちの学校の番でした。「間に合ったなあ…」演奏は10分足らず。終わった途端、「もう見たんでしょ。どきなさいよ」と知らない人が座ろうとしています。

自分の指定席ですよ、この話。みんなチケットは持っています。でも連番で持っていないから横並びを取りたい。ほぼ自由席状態で、「見たのだからいいでしょ」と席を開けろと言われる。おそらく2倍以上の人が会場内に駆けつけていて、この「10分間」のために来ているのです。

駐車場には北海道から九州までナンバープレートは全国から。お父さんは昨日から車を走らせてきた。そしてこれからまた1日かけて帰っていく。3年間この日のために努力してきた生徒たちの活躍の舞台、名古屋国際会議場。熱い闘いの1日は、＜全国・金賞＞のためだけにありました。誰と競うわけではない吹奏楽。すべては自分たちの努力だけ、実力以外に何もない。どの学校も上手いを超えた演奏です。

ただ譜面を吹くのではなく、指揮者とともに自分たちの演奏が出来た人たちが上位にいく。＜全国・金賞＞はそれを成し遂げたチームへの称賛です。アイススケートに似ています。課題曲はショートプログラム、自由曲はフリー演技。スケートは1日1演技ですが吹奏楽は2曲連続。自由曲に余力を残さなければならない。自由曲の選曲は2通り。超難解のクラシック曲を選ぶか、派手な演出のポップさを選ぶか。派手な演出は会場の観客の応援をバックに審査員の加点を促します。

狐とタヌキの化かしあいのように、指揮者の背中は審査員を持つペンを射抜いていく。30校の指揮者はそんな強者揃いが一同に会しているわけです。興奮度マックスの名古屋国際会議場です。派手な演出は確かに迫力があります。でもその曲のグレード（難易度）は低め、クラシックはグレードが高い。この競演に観客は圧倒され、誰もがハンカチを目に当てています。言葉にならない感動の演奏だから。

9月10日更新。大会参加30校が決まりました。今年は大阪3校、福岡はゼロ。長崎・熊本・鹿児島が代表。オオトリは東京都立片倉高。がんばれ関東勢！

こちらは奇跡のレッスンというTV番組。吹奏楽の難しさがわかります。

10/24追記：東京勢3校（都立片倉・東海大高輪台・東海大菅生）がすべて金賞。素晴らしい！演奏の様子が初めて公開された（視聴は会員登録が必要）。→朝日新聞＜吹奏楽コンクール＞公開サイトはこちら