かつて8大メジャー（大手配給会社）と言われたのはほんの10数年前。

いま勢力は大きく変わりました。その数5グループに減少。

 

STUDIO/ congromerate/ US Market share 2018

 

 

デジタルアニメーションが映画を変えたとも言えます。

ワーナー（タイムワーナー）を筆頭にユニバーサル（コムキャスト）、ソニーピクチャーズ、パラマウント（バイアコム）、20世紀フォックス、ドリームワークス、メトロ・ゴールドウィン・メイヤーズ、そしてディズニー。共存していたフィルム時代。独立系ではミラマックス（ワインスタイン兄弟の会社）が元気だった。

 

 

ただしMGMなんかは過去のアーカイブズで十分利益は出せるが製作にはからっしき。実写だけではよほどの作品じゃないと興行成績は残せない時代になってきました。

デジタルアニメは効率のいいコンテンツとしてシリーズ化し、最初の投資を行えば２・３と展開できることから2001年SHREKを皮切りに実写とアニメの合成が主体となりました。

 

 

反面、200億円300億円と高額化するCGIの製作費を抑えるのはスパイダーマンでピークとなり、ILMやデジタルドメインなどが始めたVFX技術はハリウッドから移転。カナダ、ニュージーランド（Weta Digital）と安価な技術費で製作可能なプロダクションが誕生します。

 

誰も手を付けたがらなかったコンテンツ（マーベル・コミックス）がここで息を吹き返したのです。

 

ソニー配給のスパイダーマンが2002年に大ヒット。アニメと実写の区別のないデジタルアクション映画が始まります。XMEN・アイアンマン・ファンタスティックフォー・デアデビル・トランスフォーマーとどまること頃を知らないマーベル・エンターテインメントは2009年ディズニー社に買収され大成功。

 

 

実写映画でもパイレーツ・オブ・カリビアンやディズニーキャラクターのリメイク大ヒットでディズニーは配給トップを不動にしました。ピクサー買収・ルーカスフィルム買収・さらには最大手だった同業FOX買収。製作と配給でディズニーを脅かすもののない巨大なスタジオになりました。

 

その背景にあるのは映画興行だけではなく二次使用三次使用の著作権。DVDに始まるプリントはセルビデオ（日本ではレンタルビデオ）で大きく収入を底上げしました。ところがそれ以上にオンラインが市場を変えました。

 

バイアコム・AT&T・ワーナー・SONY・コムキャスト。通信の主人公たちが配給権を持つことは当然のこと。画質の劣るDVDではなく高画質HD放送の配信が主流となります。

 

情報伝達がTVやラジオだった時代、広告での伝達がメインでした。オンラインはいまそこで情報が発信され、ブロードバンドはそのまま放送局。ライブストリーミング（課金視聴）がここで台頭します。

 

 

マーベルもディズニーもこの波をうまくとらえることができたのはレイティング。本来人間対人間の殺し合いはPG13、ところがこれらのメインキャストは非人間（サイボーグを含む）。公開制限のないアクションは視聴者を広げます。さらにはデジタルキャラクターたちは出演料（二次利用・三次利用）を求めない。

 

奇跡的な興行成績(全世界27,7億ドル)を残したAVATAR（2009年）はFOX作品ですが、すでにDISNEY傘下。AVATAR２は2021年クリスマス、以降AVATAR5（2027年）まで公開が決まっています。（フロリダ・ディズニーワールドのアトラクションにAVATARがあるのはご存知でしょう）

※Avengers（2019年）が27,8億ドルで10年ぶりに塗り替えたことは記憶に新しい事です。たった1本で日本の全興行収入よりも大きな成績です。

 

 

 

2019年11月（米国）最大のキラーコンテンツ＜ディズニープラス＞が始まります。

TV放送のABC、20世紀FOX、HULU、ナショナルジオグラフィック、DISNEY、PIXAR、

ルーカスフィルム、マーベル。史上最強のチャンネル。もう誰にも追いつけないレベルになってしまうDISNEY。

 

 

こいつをやっつけるのはメジャースタジオやNETFLIXではなくAMAZONかAPPLEもしれない。

 

 

最近9年の興行収入No.1映画ラインナップ

quote:Boxoffice Mojo