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カンヌライオンズ開催

<カンヌライオンズ>

 

 

5月のカンヌ国際映画祭に続いて、毎年6月3週に1週間。同じカンヌのコンベンションセンター(パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ)を借りて行われるのが<カンヌライオンズ>、広告フェスティバル。

 

今年は現地17日から22日までの一週間。ジャンルも増えて11部門。残念ながらウェブサイトでライブ(結果)を見るにはデジタルのチケットが必要となった。

以前は10万円程度で一週間、会場で上映をすべて見ることができたが、高騰するチケットはとうとう€3,365となり40万円を超えてしまった。30才未満なら€1,845だがそれでも22万円以上。

 

cannes pass

 

映画と広告の違いは映画はフランス映画協会主催だが、広告はカンヌライオンズという会社(本社ロンドン)が主催していること。イベンターのフェスティバル。だからルールも彼らが決める。日本では東映エージェンシーという広告会社が代理店。

 

フランスという土地柄、エレガントさが売り。しかも避暑地のカンヌは隣のニースと並んで超高級リゾート地。とにかくすべてがおしゃれであること。モナコやマルセイユ、イタリアにも近い地中海リゾートでの滞在は参加者をウキウキさせること請け合いの広告祭。世界中の名だたるクリエイティブエージェンシーやプロダクションが参加する。

 

日中は会場での試写会(エントリーした作品がカテゴリー別にシネコンのようなシアターで毎日上映されている)とセミナー。夜は参加エージェンシーらが主催するパーティ(ほぼ無料)三昧。飲み放題食べ放題が一週間続くわけだ。

 

ただ、間違わないで欲しいのはタダ酒を振る舞っているわけじゃない。その店(貸し切り)に入ったら、そのエージェンシーの売り込みの嵐にあることは間違いない。売り込みとは「ウチと仕事しないか?」とパイロットリール(いまはDVDか?)を手渡される。そして帰国後はじゃんじゃん連絡(いまならSkype)がやってくる。

外国クリエーターのギャラは日本のそれとはまったく違う自社相場。日本のトップの方の倍の請求も普通に来ます。

 

20世紀、まだカンヌが広告祭という時代。私は会社命令で参加、カンヌ視察団副団長としてフリーパスを首に巻いた。ジャパンナイトという日本視察団パーティでブラジル人監督に絡まれた(正確には売り込まれた)。

「俺のパイロットを見てくれ、HIRAISHI」受け取るとその後が大変なので丁重に断ると、キレられた。

 

「お前らいったい何しに来ているんだ!チャイニーズは200人も送り込んできたらしいが、お前らも観光なのか?まったくアジア人は高い費用を掛けて何している!」

「いいか!きれいな女で化粧品のCMを作るなんて誰でもできるんだよ。ブスで化粧品のCMを作れるのがプロだ!お前らには一生できないだろう」

後頭部を大きなくい打ちハンマーで殴られたような衝撃だった。

 

美しさの最高表現をするために化粧品CMはあるので、「ブスが登場する事はあり得ない!」という常識の壁をこの監督はすでに破壊し、「世界唯一の表現をしなきゃクリエーターじゃない!」と言っているわけだ。映画ではなく広告で。そしてそれは世界標準であると。

 

大阪のクリエイティブは以前からこの標準に近い。東京はいつもかっこつけてる。それが当時から言われていた。

 

のちに審査員を務めたCDに聞くと、審査会は地獄だという。会場入りは開場前2日くらい、そこから一日12時間くらいずっとビデオを見続ける。エントリー紹介、暗転・上映、明転・審査得点入れ、審査成立宣言。次のエントリー紹介、暗転・上映、明転・審査得点入れ、審査不成立(誰かが得点を間違う)の場合、審査やり直しのため再度暗転。えんえんこれを繰り返される。

 

カテゴリー別にショートリスト(予選通過)、ブロンズ(銅賞)、シルバー(銀賞)、ゴールド(金賞)、グランプリ(ベスト1)、パルムドール(すべてのCMのベスト1)を選ぶ審査員は、スペイン語・ポルトガル語・フランス語・ドイツ語・英語・中国語・タイ語など世界各国のCMを10秒以内にスイッチで審査。10点満点中9点以上が通過するわけで、8点は落ちる得点となるが、人がスイッチ(正確にはレバー)を押すから押間違いが結構あるという。するとそれを宣言しやり直し。まるでマシーンになったようにレバーを押し続ける毎日。

さらに各国審査員の駆け引きはランチやディナー、モーニングコーヒーでもあると言う。

 

それは八百長や取引ではなく、自国の優秀な作品の売り込みに近い。実は審査員は自国作品の投票はできない仕組み。だからみんな必死になる。

 

「Aがとてもいいんだ。ぜひAを推薦して欲しい」と言えば「Bを見たかい。Bはグランプリにふさわしい作品だ。Bを応援してくれよ」もちろんオフィシャルにこんな話は出来ない。あくまでも自国代表審査員としてのプライドを持った中でのビジネストーク。いい作品はやはり上に上がっていく。

問題はカテゴリーのゴールド以上。

 

何が問題かというと、このクラスでは生活習慣が表現されている。仏教国特有のしぐさや方言、イスラム特有のフレーム。黒人独特の視点など。自分の習慣では知らないものが練り込まれた映像は「知らないから、わからない」。そこで助言的に自国のCMについて非公開の場でそのわかりにくい良さを伝えておけば、「わかる、わかる」と共感していただける。

 

プロがプロの審査するカンヌでは、30秒に込められた戦略を全部出し切らないと「わかる」には到達しない。「いいよ!」とただ言われても文化は瞬時にはわからないものだから。

 

cannes lion

 

グランプリ、パルムドールは8点では該当なしになってしまう。それは避けたい。審査員同士必死にそれを阻止にかかるわけで、自国からパルムドールを出したいのは世界共通の願い。

※最近パルムドールは総合1位ではなく優秀プロダクションに与えられる賞に変わったらしい。

 

そんな審査員は前年冬に決定された瞬間から世界各国からビデオが届く。カンヌライオンズは基本前年CMからの選考。2019年なら2018年のオンエアが基準だ。2018年の世界中の広告祭映像が机の上に積まれていく。だからカンヌエントリーの優秀作品はほぼ事前にはチェック済み。知らない言語のCMでも一応予習は済んでいるはずなのだが、カンヌ用に編集替えした映像も結構混じっているので、以前見たものと違うさらに手の込んだ作品にも出会うことになる。

 

そんな密室の苦労も知らない本国からは、「どうだ? Aはシルバー以上か」と毎日問い合わせが来ると聞いた。「大丈夫! ゴールドは行けるだろう」

これは自分の作品ではない。自国へのプライド。それをみんなでやっているわけだ。

 

映画との違いはひとつ。CMにオマージュはない。オリジナルであること。これは必須だ。

映画ではよく過去作品のオマージュ(かなり似せている部分の表現)は許されているが、CMでは素晴らしい作品であっても過去に似た表現があったものは必ず落ちる。

 

カンヌ会場でよく見る光景。それは足を鳴らすこと。ブーイングイコール「ドンドン」

もうかなりな音で「ドンドン」する。審査員ではなくライオンズ参加者の試写会。拍手はあまりない。多いのは口笛(ひやかし)、足鳴らし(ブーイング)、無視(スルー)。

50本100本に1本くらいがスタンディングオベーションになる。

 

cannes lions

 

クルマ(モビリティ)ならVOLVOやSAABなど北欧系は事故を起こさないことをコンセプトとしている会社。BMWやMercedesはスピードやエレクトロニクス、高級の最上級を前面に出す。

ところが日本のT社やN社やH社はかっこいい音楽とタレントが出てきていかにも日本のCMらしさで表現する。

 

商品を他のものでデコレーションする方法は他国ではないので、もうこの音楽が鳴った時点で足鳴らしはやってくる。知らない日本の曲でそれだから、ビートルズやマドンナなど海外のメジャー曲だったら目も当てられないほど悲惨な上映になる。

 

「かっこよさそう」という表現はあり得ない。すべてに意味を持たせないければ消えろ!なのだ。京都の美しい夜景も富良野のラベンダー畑もただきれいに撮っただけの映像は何も意味しない。表現に意味のないものは無視か口笛。しつこいものは消えろ!の足鳴らし。

日本のCMのほとんどはその洗礼を受けていく。同じ国民として悲しさでいっぱいになる瞬間だ。

 

カンヌの昼は長い。8時までは太陽がある。夜は9時から。バルやレストランはテーブルを外に並べ、外の席から埋まっていく。予約なしでは11時くらいまで店に入れない人気。毎日昼間に予約は必須。試写会の合間に電話する。しかも観光地値段だから、しっかりと事前調査を入れないとまずくて高いディナーになる。

 

cannes lion

 

審査員もツアー参加者も共通なこと。それは来年も来たい。これは口を揃える。

異様な空気の中の一週間。でもものすごくエネルギーが蓄積される。

「負けてたまるか!」というエネルギー。世界のトップクリエーターの見本市。それがカンヌライオンズ。クリエーターとして本気(マジ)になるのはカンヌに行ってから。そうこれからだ。

 

2019.06.19更新

エンターテインメントライオンズ・ミュージックビデオ部門

ヒロ・ムライ監督作品<This Is America>がグランプリ。

すでにグラミー賞MV部門を制しているThis Is Americaはアメリカ銃社会を描く超話題作。

 

2019.06.25更新

フィルム部門グランプリは、ニューヨークタイムズ紙の「The Truth Is Worth It」シリーズが受賞。「RIGOR」「PERSEVERANCE」「RESOLVE」「COURAGE」「FEARLESSNESS」の5つのムービーがあり、ロヒンギャに対するミャンマー政府の対応やイラクでのISの支配等、刻々と変わっていく情勢を地道に追いかける記者たちの姿勢を追っている。それぞれが、真実を追求することの重要性を伝えながら、記者たちの身が常に危険にさらされていることにも触れている。advertimes

RIGOR

PERSEVERANCE

RESOLVE

COURAGE

FEARLESSNESS

 

そして話題だったのがPR部門グランプリの<The Tampon Book

ドイツでは生活消費財の消費税7%に対して高級材とみなされたタンポン(同19%)を書籍の中に入れ、7%販売したロビィ活動CM。

 

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