ヘイさんハッターの趣味はゴルフ。プロデューサー時代に「平日森の中を歩き、ほぼ貸し切り状態で5時間。オゾンいっぱいでリフレッシュできる。こんな楽しいスポーツはない」とのめりこみました。

ただ、他の人と違うのは競技やクラブ選びではなく、ゴルフ場の設計者（アーキテクチャ）。

 

「なんだ。それ？」と思われるかもしれませんが、ゴルフ場にも必ず設計者がいます。

日本最古のゴルフ場は1903年開場の六甲山・神戸ゴルフ倶楽部。アーサー・ヘスケス・グルーム設計。絶望的なあごの高さでプレーヤーを泣かせるアリソンバンカーで有名な川奈ゴルフクラブ富士コースはチャールズ・アリソン。など、ゴルフ発祥のイギリス人デザイナーから学んだ日本人設計家たちが次々と名門ゴルフ場を造っていくのです。

 

赤星四郎六郎兄弟を筆頭に名匠井上誠一・上田治・大谷光明・藤田欣也など昭和初期に生まれたクラシックコースは名門カントリークラブとしていまも健在。東京オリンピック開催の霞が関CCは赤星・藤田・井上3人の設計コースです。

 

「同じ料金を払うならいいコースで」最初はそんなことがきっかけでしたが、何がいいのか？を考えている時わかったのが、「上手いプレーヤーには厳しく、ヘタなプレーヤーには優しく」この思想をフルバックティから見た景色とフロントティから見た景色で体験した時にわかりました。

 

「プロでも初心者でも楽しめるのがゴルフ」それを数十年後、多くは100年後に味わえるのです。設計デザイナーって凄くないですか？木々の成長をも見越した設計をしているのです。

ジャンボ尾崎さん・青木功さん・岡本綾子さんたちもたくさん設計していますが、お気に入りはジャック・ニクラウス設計コース。ニクラウスは平らなところは全くなく、一見平らなフェアウェイでも4度の傾斜を入れています。この4度は一般人にはわからない。プロ級だけが感じる違和感。心理的にミスショットを引き起こす。イギリスからラフを取り寄せてクラブに巻き付く手強さでミスショットに厳しい罰を与える一方、大きなグリーンはビギナーに安心感を与えるショットを打たせるのです。→おすすめは石岡ゴルフクラブ

ニクラウスコースの特徴として、ティグラウンドからピンが見えるのも売り（チャレンジさせる）です。

 

ゴルフ場の厳しさを表す数値がコースレートと言い、ハンディキャップ０の人が平均いくつで回れるか。通常18ホール・パー72で、日本のゴルフ場は68とか69がまあまあ。よく大きな大会が開かれる茨城・大洗カントリーで74.4。超難関コースばかりつくる親子ロバート・トレント・ジョーンズ親子（シニア・ジュニア）→おすすめはグランディ那須白河ゴルフクラブ。

 

光と影の魔術師と呼ばれるロバート・ボーン・ヘギーコースでは→西那須野カントリークラブ。

パブリックコースでも有名設計デザイナーは活躍しています。井上誠一なら→川崎国際生田緑地コース。とにかくラッキーなショットを認めてくれない砲台グリーンが曲者です。

 

コースの選択は４つ。高原リゾートのフラットなコース。障害物の多い林間コース。丘陵地帯のアップダウンの激しいコース。河川や海のそばで風の影響が大きいリバーサイド・シーサイドコース。富士山周辺は芝目がすべて富士山に向き、パターの難易度を上げています。

 

変わったところでは、洋服やさんのJUNがジーンサラゼン監修で造ったジュンクラシックとロペ倶楽部。ロッジもおしゃれで前泊が基本です。

 

ゴルフのシーズンは4月から6月、9月から11月がベスト。それ以外は暑さ寒さ対策は必須です。面白いところではアメリカ横田基地所属・多摩ヒルズ。兵士たちのリクリエーションコースですが、紹介があれば日本人だけでもプレイできます。新宿に向かって打つショットは快適そのもの。練習場も1ホール分のゆったり感で楽しいアメリカンゴルフです。

「高いなあ・遠いなあ」と嘆くのではなく、いいコースは充実した旅行のように楽しませてくれるのです。

世界のゴルフ場ランキングTOP100コース（設計者）に選ばれたコースは７つ。

★兵庫県・廣野ゴルフクラブ（CHアリソン）1932年開場

★静岡県・川奈ホテルゴルフコース冨士コース（CHアリソン）1936年開場

★茨城県・大洗ゴルフ倶楽部（井上誠一）1953年開場

★埼玉県・霞が関CC・東コース（赤星四郎）1929年開場

★埼玉県・東京ゴルフ倶楽部・東京GC（大谷光明）1914年開場

★兵庫県・鳴尾ゴルフ倶楽部（JEクレイン）1920年開場

★宮崎県・フェニックスCC（大橋剛吉）1971年開場

 

大好きな設計デザイナー・加藤俊輔（太平洋クラブの設計）は、とにかくティグラウンドからの景色が最高です。そうそう、夏はストローハットも忘れずに。