Hey3hatterとは
読み方はヘイさんハッターと言います。ヘイさんが私、元々CMプロデューサーの私はいわゆる業界用語の「●●ちゃん」と呼ばれたくなかった。「〇〇さん」と呼ばれたくて25才にして口ひげを蓄えた。25才のあんちゃん、まだ修行中の身です。
「ヘイさん」と呼ばれたのは学生時代の部活のニックネーム。先輩が平石の「ひらいし」が「しらいし」になるので、「ひらいしです」と言い直すと、「めんどくさいなあ、平石だから平助でいいや、おいヘイ!」と勝手に省略されたことが始まり。先輩の「ひ」と「し」の使い分けができないことが理由だった。
後輩からは「へいさんって中国から来たんですって?」と誰かが輪をかけて話を盛るから、「ああ、上海だよ」と答えた時期もありました。
プロデューサーになると全責任はプロデューサーに委ねられる。作品の品質、納期遅れ、スタッフ間のもめ事、天候判断からの中止延期、はたまた起用したタレントの不祥事に至るまで事故原因よりもプロデューサー責任が先に問われた。誰かが背負わないと終わらない。広告主・広告会社・制作会社が協力して作るTVCMでは制作会社が最下層。その責任者は首を差し出す覚悟で仕事をする。それがCMスタイルでした。
日本全国に組合所属のありなしで200社(主に東京・大阪・名古屋)あまり、10人ずついてもわずか2,000人の人口でしかない。1年4,000本あまりのCMが出来上がり、そのひとつひとつにプロデューサーが存在し、数少ないキー局のゴールデンタイム100本くらいに、よく見る予算の比較的高額(有名企業の)なものがオンエアされるわけです。
このゴールデンタイム作品のほとんどがAクラスのプロデューサー作品。Aクラスは100人ほどしかいない各社のエースプロデューサー。その中でわずか10人ほどがSクラスのトップオブトップの超有名プロデューサー。2,000人がそこを目指してしのぎを削っているわけです。
CM業界に残業という単語はありませんでした(20世紀)。何故なら期限内に最高の仕事をすることが義務付けられ、それができない人に次の受注はない。CクラスはCクラスのまま、BクラスはBクラスのまま。AクラスからSクラスになるためには、仕事の内容で評価されるしかない。結果を出さないことには何も始まらないのです。
寝ないで考える。人が寝ている間が勝負の分かれ道。ただの根性論ではありません。数多くのケースを想定し良い結果を導くのは、経験数だけでなく、追い込まれた状態での閃きや消去法によって生まれる、たったひとつの正解を見つける労力でしかないのです。
将棋や囲碁の世界に似ているかもしれませんね。努力と才能。実力社会です。
立ったまま寝る。通勤が睡眠時間に割り当てられるのも当然のこと、起きている時間は仕事に使う。エージェンシーの廊下で「ああ、ヘイさん。ちょっといいかな」これが受注です。受発注は個人間。「いい仕事をする人に仕事が集まり、そうでない人には仕事はありません」
オールオアナッシング。1つの仕事にプロデューサーはひとりでいい。4,000本はこうして有能なプロデューサーに偏って発注される。年間20本作る人、数本しか作れない人に分かれます。
広告ルールはひとつ。競合はやらない。同時にクルマのT社とS社は受けられない。H社も受けられない。T社を受けたら他は受注できません。
ただ、情報としてT社をやっている場合、S社は誰がつくっているか、H社は誰がつくっているかは調査しています。もちろん出来上がったオンエアも見ています。競合研究はプロデューサーの大事な生きた情報。10億円20億円と掛かる広告費の競合研究は、顧客にも作品の品質にもとても大切なこと。同じ表現をしたCMが同時にオンエアすることはあり得ないのです(調査方法は言えませんが)。そしていつS社を受注するかもしれません。その時いままでのS社を知らないでいいわけがない、傾向と対策は受験生だけのものではありません。
私の得意としていたことにこの競合研究があり、過去2年分くらいはゴールデンタイムにオンエアされるCMのスタッフを暗記していました。音楽プロデューサーやスタイリスト・美術デザイナーも含めて。意味ある事かどうかはそこに身を置いてみないとわからないことですが、映像制作は人がつくる完全ハンドメイド。同じ企画でも制作する人によって全く変わります。
結果はプロがプロを評価する広告祭のグランプリ受賞。CMの中の年間最高CMです。みんなここを目指しています。
「ヘイさんって何クラス?」
「ああ、Bクラスですよ、物量だけは多いからスーパーBクラスです」と言っていました。
AクラスになるにはAクラスから仕事を奪わないとAにはなれない。仕事の量は変わらない。だったらAクラスから仕事を取り上げるしかないのです。
これを30才から40才の間で成功させなきゃ次世代の人に道を譲るしかありません。プロデューサーが旬であるのはこの10年間、以降は役員か独立かしかないのがCMプロデューサーの未来。その時間は案外短いのです。
「どんな女優さんを撮影しましたか?」
その問いには答えは二つ。昭和は夏目雅子さん、平成は吉永小百合さん。この二人はフィルムの中で100点を超えていました。夏目さんはご存知のように若くして亡くなられた女優さん。おそらく24才頃でしたが、今まで会ったもないオーラでした。「お嬢さん演技」と映画製作ではコテンパンにやられていたそうですが、CMでは抜群のしっとり感で、スタッフはほぼオーラに酔っていたものです。亡くなられたことを知った時、NGシーンのフィルムを3コマずつ当時のスタッフにしおりとして配りました。
吉永さんは皆さんがテレビや映画で見るそのままの日本代表女優。一日10KMを泳ぐという、女優をするために生きている吉永さんは、たとえCMでも一切手を抜かない。ご自分でNGを出し納得するまで演技する素晴らしい映像を作ってくれました。お弁当だって「特別な事は結構です。皆さんと同じものでお願いします」と自らスタッフ弁当に手を伸ばすような人格者でした。
だいぶお話が長くなりましたので、今回はこのへんで、<ヘイさんハッター>のネーミングについてでした。チャオ。
メンズハット 通販|HEY3HATTER
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屋号 | HEY3HATTER |
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〒340-0011 埼玉県草加市栄町3-4-24-609 |
電話番号 | 090-4096-1911 |
営業時間 |
10:00~19:00 定休日:不定休 |
代表者名 | 平石 光男 (ヒライシ ミツオ) |
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