｜海外ロケ禁止、スタジオ撮影禁止、TV局は未曾有のパニック状態。

 

三密を作らないで撮影できるほどことは簡単じゃない。キスシーン禁止、病院ロケ受け入れ拒否、三密になるひな壇撮影禁止、不特定多数と関わる旅番組など、音楽番組・バラエティ・ドラマはほぼ条件的に全滅である。

 

過去のアーカイブでカバーできないのか？　別に再放送でもいいよ、どうせいまの番組はつまらないから。という声は多いのだろう。しかし、そこには大きな壁があった。

 

東洋経済オンライン調べ

 

先週あった＜下町ロケット総集編＞2015年に最高視聴率22.3%を叩き出した秀作である。それが総集編視聴率わずか9％、2020年冬ドラマの視聴率と変わらない低迷さ。総集編がこれでは絶対にダメなのです。→　認知度のある優良コンテンツは確実に数字を上げる義務を背負うのです。

 

2020冬ドラマ視聴率

 

たとえば、仲間由紀恵のヒット作＜ごくせん＞を再放送して欲しい。→　教師の暴力・学生の喫煙、学生同士の乱闘など、視聴者から適切なオンエア時期（いま放送するべき）ではないとクレームが入ること必至。

 

たとえば、織田裕二の出世作＜踊る大走査線＞を再放送して欲しい。キムタクドラマをいろいろ見てみたい。まるでTSUTAYAのレンタルビデオのように視聴者から問い合わせが集中したとしよう。

 

 

→　まずオンエアはない。次に始まるシリーズの番宣になる、とか。オンエアすることでTV局（特にスポンサー）にメリットがないものは対象外。さらにコンプライアンスが厳しいいま、過去の出演者をカットする編集はしたくないからだ。

 

→　民放各局は公共放送という役割を持つ。よって有料放送のように自由にコンテンツを掛けまわすことはできない。

 

実はこれは結果的に、お笑い芸人に頼ったMCバラエティや、多すぎる病院ドラマや刑事ドラマ。定番風に収まっていた番組編成を大きく変える可能性があり、TV局の威信にかけて穴は開けられない。つまり真価が問われる場面になったわけです。

 

4月のストック分が終わると5月。特番特番で防いでいることはできません。ピンチをチャンスに変えること。これがいまTV局に求められる出口、TV離れしている人たちを呼び戻すチャンスでもあります。