｜AIとは何か？

 

グーグルは検索エンジンの投資家プレゼンで言いました。

「私たちは何も生み出さない。整理するだけ」

発想もすごいことですが、投資家も優れていました。

 

世界各国の有名図書館の本をスキャンする。それは人間の歴史（思想）を全部情報整理すること。何故なら本はそのスペシャリストが書いたもの。ノーベル賞の審査基準の引用数と同じく、時代のリーダーたちが最高レベルで考えて発表したものが出版されている。それはその時点での最高水準。と定義されるからです。

 

映画スパイダーマンの着想、それもスキャン。南カリフォルニア大学に主演のトビー・マクガイアは呼ばれ、すべての角度から撮影され、すべての表情をデータ化した。するともう彼の演技は必要ない。データ上でスパイダーマンは動き出す。

 

完全コピー。ここがAIの出発点。情報収集です。大学を利用したのは開発費軽減。研究開発には人件費と時間がかかること。一年数億円で正確にトレースできたのは、インターンシップ（プロなら10倍かかる）の力技。プロデューサーの着眼点です。

 

10の18乗（エクサ）。これが人間の脳のシナプス（神経のつなぎ目）の数。シナプスイコール記憶数。10の19乗になればAIは人を超える。これがAIの定義です。

2045年実現可能と言われ世界各国で研究開発されていますが、やはりグーグルは曲者。AIの最高頭脳を呼び寄せた。

 

 

＜シンギュラリティ＞を生んだ人工知能の大家レイ・カーツワイル博士の招聘。

著書ポストヒューマンでは2045年に到達すると予言する技術的特異点（人を超える瞬間）＜シンギュラリティ＞、いま世界中で研究されている最重要IT。

 

 

きっかけはなんと盲目の天才歌手のスティービー・ワンダー。

「コンピューターで生音を再現できないか？」だった。1984年シンセサイザーの誕生でした。

 

情報を整理した一覧ページに広告（クリック課金サービス）を入れる。引用したテキストに近い広告主がコンペで入札し、最も高い金額の人が最上位。これが＜アドワーズ＞、シンプルかつ効率的な検索ページ。これで辞書は不要となる。

 

同様に世界中の道をスキャンする。そしてそこに広告を入れる。これがグーグルマップ。

地域別の電話帳広告（イエローページ）を一蹴するアイディアだ。

 

先ほどの人体スキャン。それは医学でも適応する。MRIでスキャンした輪切り画像を立体化して臓器を３D化させれば傷んだ箇所が画面に見える。画面を見ながら新人医師でもベテラン医師のアドバイスで同様に手術できる。

 

グーグルが始めた「情報の見える化」ビジュアライゼーションは標準となることが必然でした。そこにLEDの発明でより繊細画像が見えやすく、CPUの高速化でより速い処理に、さらに高速通信でライブに、テラバイトサーバーが正しく記憶する。とデジタルの共存がAIをより現実化に進めています。

 

大事なことはそれを悪意ある人たちに渡さないこと。悪意はすべてを無にする悪魔だから。

残念ながらいまあるIT技術のほとんどが兵器から生まれたもの。ドローンで敵上視察。チャットで無線連絡。BOTというプログラムで敵の通信を盗むこと。指紋認証、虹彩認証、スパイの表情認証、赤外線カメラで暗視監視など、戦争はITのベースにあることは事実です。

 

無人という名のAIは、人の代替（命の危険回避）に使われてきた。

いつしか意味は企業の人件費削減の代替として着目され、AI導入（24時間休みなし）という論点にすり替わってきています。

 

 

CGI（コンピュータ・ジェネレイテッド・イメージ）は波をつくった。

世界一の撮影プール（ソニーピクチャーズ所有）では一日400万円かかる。しかも一週間以上レンタルが基準。波のプログラムがあれば合成でパイレーツ・オブ・カリビアンは陸上で撮影可能。

 

 

馬は戦争映画では必須アイテム。

馬1,000頭借りてきたら維持費と管理費で一日数千万円は消える。馬のプログラム(MASSIVE)は1万頭でも10万頭でも描くことができ、カメラアングルも自在に設定できて、やがてソフトウェアとして発売可能。

 

 

手書きからCGIへ。映画産業（VFX）はAIと一緒に成長してきました。

後編へ続く。