携帯カメラの動画化により、誰でもYOUTUBERのような時代になった。

面白い映像を作ったら、お金がもらえると誰もがそんなことをイメージし始めた。

 

TVがタイムシフトによりCM抜きで見るようになると、途端にCMは輝きを失っていった。WEBCMという時間制限のないプロモーション映像も作ることになると、制作者はTVとWEBと2つできないと受注できない時代になった。

 

販売促進をプロモーションと言い、イメージ広告をブランドと言う。それは別物。それを知らない人たちが２つを作るとどうなってしまうか？タレントや音楽を使ったただの販促物になってしまう。

 

この二つに頼るとほぼクリエイティブは崩壊する。アイドルを使ったものはもう誰がつくっても同じものになってしまい、見飽きられる時間も速くなる。それは負の連鎖の始まり。大手術が必要だ。

 

日本屈指の老舗コスメティクス会社は21世紀初頭、この負の連鎖を断ち切るために多くの化粧品CMを一時中断し、負けているトイレタリー（シャンプー）にすべてのエネルギーを集中した。それは日本を代表する女優12人以上使った一大キャンペーン、店頭プロモーションも含めた総額は50億円。

 

もちろんクルマメーカーを含めた日本企業最大規模のプロモーションになった。起用されたCD（クリエイティブディレクター）はカップヌードルのシリーズでカンヌライオンズを獲ったCD。コスメ担当じゃない人、でもこの人にすべてを託した。そのCMがこれ！

 

いまはメジャーになっている靴のNIKEもPCのAPPLEも一度死んでから復活した組。その広告ブランディングを立て直すことは半端ない。だから伝説になる。

 

電化製品が壊れなくなった。だからアキバの量販店に行ってもTVや家電はメイン商品から外れている。しかも日本製から安いアジア製品がメインにシフトしたので、当然TVCMはテレビや家電が激減した。

 

そうTVCMは時代を映す鏡。そしてたったひとつのCMがその産業をリードし元気にする。まるでスポーツ界と同じなんです。何年かの周期で繰り返される。ただそこには絶対的に有能なCDとプロデューサーがいないと生まれない。

 

山口の小さな洋服店が世界7位のファストファッションになったのは、2008年に世界の三大広告（ブログパーツのUNIQLOCK）のグランプリ獲ってから。

 

フリースの成功からブームを呼んだが、ブームは一瞬で不良在庫を抱えたこともある。文化になる（当たり前）にはブランド化が必須条件。ブランディングを徹底化したことが今の当たり前に変わっていった。

UNIQLOCK

 

 

負のエネルギーが大きくなっている時、それはもう背水の陣的に厳しい環境であるからこそ、無駄を徹底的に省いたものすごいエネルギーが放出される。チャンスととらえた人だけがそのたったひとつの椅子に座ることができる。

 

誰にでもできることではないですが、誰にでもチャンスはあるということ。その機会がいつくるかはわかりません。ボクサーがロープを背負って絶体絶命な時、クロスカウンター（あしたのジョーの必殺技）が出るわけです。

 

YOUTUBERに思うのは、そんな追い込み方をしない限りいいアイディアは生まれてこない。徹底的に追い込みましょう。そりゃ生み出すまでは大変です。何かを足したり引いたり、いまあるアイディアを元に洋服を着せるように着替えさせる。素材を変えてみる。二つをセットにしてみる。あらゆる試作を繰り返すしかない。

 

こんなことを毎日やっているのがクリエーター。毎日が不満のプールの中に浮かんだ生活です。ただひとつ、普通に人と違うことは、締め切りまでに絶対に生み出すぞ！という信念と自信。

 

建物を建てる時のようにアイディアがコンセプトになった瞬間、スイッチが入り映像はその上に描かれていきます。努力は自分を裏切らない。それだけは変わらない事実です。